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電気工事士が解説|幹線工事と分電工事の違いと施工のポイント

電気設備は現代社会のインフラとして不可欠な存在です。富士市に拠点を構える株式会社イクデンキでは、キュービクル工事、幹線工事、分電工事、ケーブル敷設工事、トランスの据え付けなど、電気工事全般を手がけています。その中でも今回は、電気工事の基幹となる「幹線工事」と「分電工事」について詳しく解説いたします。
 
これらの工事は名前が似ているため混同されがちですが、それぞれ異なる役割と重要性を持っています。電気工事を検討されている富士市、富士宮市、沼津市の企業様や施設管理者の方にとって、この違いを理解することは適切な電気工事計画を立てる上で極めて重要です。
 

幹線工事とは|電気設備の大動脈を構築する重要な工事

 
幹線工事は、ビルや工場などの大型施設において、受変電設備から各分電盤まで電気を送る「電気の大動脈」を構築する工事です。人間の体に例えるなら、心臓から全身に血液を送る動脈のような役割を果たします。
 

幹線工事の基本的な役割

 
幹線工事の最も重要な役割は、電力会社から供給される高圧電気を、建物内の各部署や各階に安全かつ効率的に配電することです。具体的には、キュービクル(受変電設備)から配電盤を経由して、各分電盤まで大容量の電気を送る配線工事を行います。
 
この工事は建物の骨格が完成する段階で実施され、後から大幅な変更を行うことが困難なため、設計段階から慎重な計画が必要です。
 
  

幹線工事の主な作業内容

 

工事項目
作業内容
幹線ケーブル敷設
受変電設備から分電盤まで大容量ケーブルの配線
ケーブルラック設置
ケーブルを支持・保護するための架台設置
配電盤設置
電気を各分電盤に分配するための配電盤設置
地中埋設工事
地下配線による幹線ケーブルの敷設

 
参考:株式会社サクラ電気「幹線工事とは?幹線工事の作業内容や関連する工事についても解説」
 

分電工事とは|電気を各機器に安全に分配する終端工事

 
分電工事は、幹線から送られてきた電気を、照明器具、コンセント、エアコンなどの各電気機器に安全に分配するための工事です。家庭でも身近な存在であるブレーカーボックス(分電盤)の設置・配線がこれに該当します。
 
  

分電工事の重要な機能

 
分電工事の主要な機能は、電気の分配だけでなく、安全性の確保にあります。分電盤には配線用遮断器(ブレーカー)や漏電遮断器が設置され、過負荷や漏電が発生した際に自動的に電路を遮断し、火災や感電事故を防ぎます。
 
また、各回路を個別に制御できるため、メンテナンス時や緊急時に必要な部分だけを停電させることが可能です。
 
  

分電盤の種類と特徴

 

分電盤の種類
用途・特徴
設置場所
住宅用分電盤
一般家庭向け、プラスチック製
玄関、洗面所等
業務用分電盤
オフィス・工場向け、鋼板製
電気室、機械室等
動力分電盤
モーター等動力機器用
工場、設備室等

 
参考:エーステクニカル「配電盤と分電盤の違いとは?電気工事の前に知っておくべきこと」
 

 

幹線工事と分電工事の決定的な違い

 
幹線工事と分電工事は、電気設備における役割と位置づけが根本的に異なります。これらの違いを正確に理解することは、適切な電気工事計画を立てる上で不可欠です。
 
  

電気系統における位置づけの違い

 
幹線工事は電気設備の「上流」に位置し、大容量の電気を建物全体に配電する役割を担います。一方、分電工事は「下流」に位置し、各機器に適切な電力を供給する最終段階の工事です。
 
この関係は、水道システムに例えると理解しやすくなります。幹線工事は浄水場から各地域への大口径の送水管の工事に相当し、分電工事は各家庭への給水管の工事に相当します。
 

重要ポイント
幹線工事は建物全体の電気供給の基盤となる工事であり、後から変更が困難です。そのため、将来の電力需要増加も考慮した設計が重要になります。分電工事は比較的柔軟に変更・増設が可能ですが、幹線容量の範囲内でしか対応できません。

 
  

扱う電力量と電圧の違い

 

項目
幹線工事
分電工事
電圧
高圧(6,600V)~低圧(400V)
低圧(100V~200V)
電流容量
数百A~数千A
数A~数十A
ケーブル太さ
太径(数十mm~数百mm)
細径(数mm~十数mm)
施工時期
建築躯体工事と並行
仕上工事段階

 
参考:ワイズネット「幹線設備工事」
 

施工における重要なポイントと安全対策

 
幹線工事と分電工事では、それぞれ異なる技術的要求と安全対策が求められます。富士市周辺で電気工事を行う際の重要なポイントを解説します。
 
  

幹線工事の施工ポイント

 
幹線工事では、大容量の電流を安全に送電するため、ケーブルの選定と敷設方法が極めて重要です。ケーブルの許容電流、電圧降下、短絡電流などを正確に計算し、将来の負荷増加も考慮した余裕のある設計が必要です。
 
また、ケーブルラックの設置では、荷重計算、熱的影響、保守性を十分に検討し、建築構造との協調を図りながら施工を進めます。地中埋設の場合は、土壌条件、他の埋設物との離隔、将来の掘削工事への配慮が重要となります。
 
  

分電工事の施工ポイント

 
分電工事では、各回路の負荷バランスと安全性の確保が最重要課題です。分電盤内のブレーカー配置では、負荷の偏りを避け、将来の回路増設に備えた予備回路の確保が必要です。
 
配線工事では、各機器の消費電力に応じた適切なケーブル選定と、過負荷防止のためのブレーカー容量設定が重要です。また、漏電遮断器の適切な配置により、万一の事故時でも被害を最小限に抑える設計が求められます。
 

電気工事士の資格要件と法的規制

 
電気工事は人命と財産に直結する重要な工事であり、法律により資格を持つ者でなければ施工できません。幹線工事と分電工事では、それぞれ異なる資格要件が定められています。
 
  

第一種電気工事士と第二種電気工事士の違い

 
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模店舗などの一般用電気工作物の工事を行うことができます。一方、第一種電気工事士は、自家用電気工作物(高圧受電設備を持つビルや工場など)の工事も行うことが可能です。
 
大規模な幹線工事では、通常、第一種電気工事士の資格が必要となります。また、電気工事士法により、これらの工事は必ず有資格者が行わなければならず、違反した場合は罰則が科せられます。
 

法的要件
電気工事士法第3条により、電気工事は有資格者でなければ従事できません。無資格者が工事を行った場合、3ヶ月以下の懲役または3万円以下の罰金が科せられます。安全性と法令遵守の観点から、必ず有資格者による施工を依頼してください。

 

富士市における電気工事の実績と信頼性

 
株式会社イクデンキでは、富士市を中心とした静岡県東部から愛知県東部、福島県まで幅広いエリアで電気工事を手がけてまいりました。これまでの豊富な経験と実績により、お客様のニーズに応じた最適な電気工事ソリューションを提供しています。
 
幹線工事では、工場やビルなどの大型施設における高圧受電設備から各分電盤への安全で効率的な電力供給システムを構築し、分電工事では、各機器への適切な電力分配と安全対策を実現しています。有資格者による確実な施工と、充実したアフターサービスにより、長期にわたって安心してご利用いただける電気設備を提供いたします。
 
幹線工事と分電工事は、それぞれ異なる役割と重要性を持つ電気工事です。適切な設計と施工により、安全で効率的な電気設備を実現できます。富士市、富士宮市、沼津市で電気工事をご検討の際は、豊富な経験と確かな技術力を持つ株式会社イクデンキまでお気軽にご相談ください。
 

お問い合わせ

電気工事業者をお探しの方は静岡県富士市や沼津市などで活動する株式会社イクデンキへ
株式会社イクデンキ
〒416-0946
静岡県富士市五貫島940-2
TEL:090-9339-7565
※営業電話お断り※

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